【短編】スキまでの距離




佐藤くんは小さく笑って、


「そんなに緊張するなよ。
こっちもなんか緊張するだろ。」


って言ってあたしの方を見た。


「あっ!
ご、ごめんね・・・。」


緊張してることに気づかれたことが恥ずかしくて
下を向いて歩いた。






「別にいいけどさ。」


少し気まずそうな返事が返ってくる。








「いつになったら結城は
俺に笑ってくれるんだろうな。」





そう言って悲しそうな笑顔の佐藤くんの足が止まったから、
自然にあたしも止まる。



「えっ・・・?」


突然の言葉に驚いて顔をあげた。