キーンコーンカーンコーン

あぁ
やっと学校終わったぁ。

『由莉亜、今日ドーナッツ食べにいかない?』

この子はあたしの幼なじみの由莉亜。

はっきり言って超モテる。
優しいし、めっちゃ可愛い。

勉強もできてマジ完璧な子。

かなり魅力的。

ちょっとあたしにも分けてほしいよぉ。



『うん、いーよ。行こう』


『ねぇ、亜梨沙。黒川くんとは、どうなの?』

ドーナッツを頬張りながらあたしに聞く由莉亜…
可愛い…

『どうなのって、何もないよ』

『そんなんじゃ、黒川くん他の子にとられちゃうよ』
『だってあたしなんか、可愛くもないし勉強出来ないし近づけるわけないよ…』
『それじゃあ、だめじゃん!!』

『あたしなんか、黒川くんの眼中にないんだよ…』

そう、きっとあたしなんか相手にされない。

『そんなことないよ。亜梨沙は、十分かわいいし、優しいし、大丈夫だよ』 


『ありがとう由莉亜…でも、ライバルが多すぎる…』
由莉亜は、ホント優しい。だからモテるんだよね。
 
『じゃあ、頑張んなくちゃ!!』

『そうだね…』


『あたしも協力するからさ』

『ありがとう』

『あっ、もうこんな時間だ。そろそろ帰る??』

『そうだね』

そういってあたしと由莉亜は、店を出た。

季節は、12月。

店を出ると冷たい風がふいていた。

さむっ。

『あのさぁ亜梨沙、あたし、これから予定入ってるから一人で、帰ってくれる??』

『うん。わかった。じゃあ、また明日学校でね』

『うん。気を付けて帰るんだよ』

あたしは、小学生じゃないっつぅーの。

『うん。バイバイ』

『バイバイ』


由莉亜と別れてから一人淋しく帰り道を歩く。


あぁ寒い。
家までまだ遠いよ…。



そんなあたしにガラ悪い男の人が寄ってきた。


『ねぇ君、俺と一緒に遊ばない?』

『いやです』

最悪。ナンパだ。

『ねぇ、遊ぼうよぉ』

そういって男は、あたしの腕をガシッと捕む。