「あっ……、自転車で転んで、その……」 顔を上げると、彼女の瞳とぶつかった。 さっきの瞳とは違い、目に力があり、吸い込まれそうだった。 「自転車で転んだくらいで、骨……折れるの?」 「……折れたの」 足の甲の骨をポッキリ。 手術して骨を固定してるし、周りの腱も傷付いちゃったから、入院中なわけ。 ……と、説明もしたかったんだけど、彼女の瞳があまりにも綺麗で、言葉が出てこなかった。 「また見てる」 「……!!」