すぐに離れた唇。

突然の事に声が出ない。


「…消毒♪」


そう言ってニッと笑った佐伯。


『は……?』


「だって梨優は俺のもんだし!俺より先に手出すなんて許せね~!!」


何それ…。

っていうか…


『いつからあんたのものになったのよ!!』


「え、今更?だって下着見た仲でしょ?」


『はっ!?あ……!!』

そうだ服破られて…!

いくら佐伯に学ラン掛けられてても正面から丸見えじゃん!!

「もしかして…誘ってたりする?」


『はぁ~!?しねーよ!この変態男!!』


バキッ!


「いって~!!冗談じゃん!せっかく助けたのにぃ~!!」

『もとはといえばあんたのせいでしょうが!!』


いつの間にかいつものように戻った佐伯。


さっきの怖いオーラが嘘のよう。

だからきっと…あたしの中に芽生えた小さな気持ちも…気のせい…。