「着いたぞ」

涼は駐車場に車を止めると、後部座席で眠っている祥君に声を掛けた。



涼が出発する前、『車で1時間位かかるから、少し寝ててもいいぞ』……そう言った時、なんとなく予感はしていた。

もっと近くにも初日の出を見れるスポットはあるけど、近くだと誰かに会ってしまうかもしれない。



ううん。

多分、涼はそう言う理由でこの場所を選んだんじゃないと思う。



「んー……あれっ? もう着いたんだ」

祥君が軽く背伸びをしながら言った。



辺りは若干明るくなり始めていた。