「明けましておめでとう♪ なんか、電話で言うのって変な感じだね? いつもは家に居てみんなで言ってたから」

『そうだな』

電話の向こうで、お兄ちゃんがクスって笑った気配がした。

『やっぱり、このまま隆志と初日の出見に行く事にしたけど、大丈夫か? 今、何してた?』



ドキッ



「テレビ観ながら年越しした。除夜の鐘じゃないカウントダウン、初めて観たんだよ? 絶対、その方が盛り上がるのに、お父さんも毎年頑固だよね」

『仕方ないだろ、あの性格なんだから。……俺、帰るの朝になるけど、戸締りちゃんとしろよ?』



お兄ちゃんが心配してくれている言葉を聞くと、ちょっとだけ胸が痛む。

ごめんね、私も外出してるんだ……でも、ちゃんと戸締りはして来たからね?