「そう言えば」

乾杯もして、食べ終わったどんぶりの片付けを私がしていると、祥君が急に思い出したように言った。

「上手い具合に新年迎えて、すっかり忘れるとこだったけど……さっきの話の続きをしなきゃ、ねっ、兄貴」



えっ? さっきの話?



「ヤダなぁ、美雪ちゃん。美雪ちゃんが一番知りたい事なんじゃないの?」

祥君が私の顔を見て、そう言った。



私が知りたい事?

……あっ!



「そうだ、思い出した! ……涼!」

そうだよ、さっき『一目惚れしたのがいつなのか』って話の途中だったんだ。