「俺よりもおまえの方が、あの2人の事はよく知ってるだろ? おまえに任せるよ。俺ばっかり自分の親友や家族に紹介しようとしてんのに、不公平だからな」

涼はそう言ってから、私の頭をポンポンと優しく叩いた。



「もう行こう。早く行かないと、また何か言われるかもしれないから」

私の頭から手を離し、涼はドアへ向かって歩いて行った。



「涼」

私が呼ぶと、涼が振り返った。



「ありがとう」



「えっ?」

一瞬、不思議そうな顔をしたけど、すぐに分かったようで笑った。

だから、私も笑った。



私の親友を信じてくれて……私の気持ちを考えてくれて……ありがとう。