私は屋上に引き戻された。



待っていたのは死ではなく、間違いなく私は生きていた。



「なにやってんだよ!!お前は死ぬ気か!!」




ハァハァと息が切れていたその人は


私を助けてくれた。


キョトンとしていた私はとっさに死を選びたかった。


「…嫌だ!死ぬの!!離してよ!!!!」


必死に押さえつけられた。


「なんでだよ!!落ち着け!死ぬな!死ぬんじゃねぇよ!簡単に命を粗末にするな!!」



私はその人の言葉を聞いていたのか聞いていなかったのか分からないけど一旦落ち着いた。


「…なんでこんなことした?」


名前も知らないこの人に話すべきなの…?


一応、口を開いた。


「…あなた、誰なの?」



「あぁ!ごめん。…えっと俺は黒木奏斗【クロキカナト】。いきなりごめんね。君はたしか相川瀬南ちゃんだよね?」

「なんで?私の名前を?」


おかしいじゃん。

私の名前を知ってるなんて