花子ちゃんのトイレ!

「何か、いろいろと見えてますヨ」


少女の無感情な声が、無音のトイレに響く。



……どうしよう。

つーか何ですかこの展開。

用を済ませようとズボンを下ろして、便器に座り込もうとしたら、その便器から女の子の顔が飛び出てるとか。

どんだけ非現実的なんですか。

俺はあれか?


つまらない日常に飽き飽きしていて、何らかのイベントを望んでいる、どこぞのファンダジック漬けな主人公ですか?

言っておくが俺は何も望んじゃいないし、つまらない日常で満足している平民だ。


「……ごめん。とりあえずごめんと言っておく」


「謝る前に隠すとこ隠しませんか!?
何かいろいろ見えちゃっててトラウマモノなんですけど!!」