夕「殺された…?」


淳「そう………」


遊「淳志、違う。あれは……」


淳「…事故だって言うんだろ?最初はそう思った……。あの時…由李は、体調が悪くて……ふらふらしてたから……。いつもみたいに学校の屋上で俺を待ってる途中で……倒れて……落ちたんだと思った……」


淳志は滅多によせない眉間のしわをよせた。


そう…


あれは2年前の風が強い秋の事だった……


―2年前―


淳「やばっ!すっかり遅くなっちゃった!」


淳志 当時14歳。


この日は、所属していたバスケ部の試合が長引いてだいぶ由李を待たせてしまっていた。


時刻は7時過ぎ。


外は肌寒い。


(由李大丈夫かな……。最近体調悪いみたいだし……。今日は風強いからな…)

淳「ケホッ…」


淳志も風邪気味だった。


2人は体が弱い同士で、出会いも病院だ。


ワー……


何やら校庭の方が騒がしい。


淳「なんか騒がしいな……」


その時。


「キャー!」


淳「!?」


悲鳴が聞こえた。


(なんだろ…由李の声に似てたような……)


その時だった。


「おい!淳志!」


後ろから友達が走ってきた。


淳「? どうしたの?」


「ハァ…お前聞いたか!?今、屋上で転落事故起きて…落ちたの…中川(ナカガワ)らしいぞ!」