俺がコイツに会ったのは、俺が17の時だ。
さっきの思い出話してた夏よりは少し前の春頃だっか・・・
用事があって兄貴に会いに後藤組の事務所に向かってた時。
その時運悪く雨が降ってて、差したくもねぇ傘を差して憂鬱な気分で向かってたら、通り
過ぎた路地裏から女の声がしたんだ。
「おっ。喧嘩かぁ?」
興味本意で路地裏を覗くと女が傘差してしゃがんでて、何かに向かってブツブツしゃべってたんだ。
何に向かってしゃべってんのか気になって少し様子を見てた俺。
「ごめんねぇ。今日はこれで我慢してね?明日、家に連れてける様にするからね」
そんな事を話してた傘差し女。
女が立ち上がったから俺は何も無かった様にゆっくり先の道を進み始めた。
路地裏から出てきた女は雨に滑って、俺にぶつかってきたんだ。
「すいません!!怪我ないですかぁ?」
「・・・別に無い」
無愛想に答えた俺だけどこの女の顔をしっかり見てやった。
まだまだ、子供じゃねーか!
中学入ったばっかか、小6ってとこだな。
顔には幼さがかなり残ってた。
「そ、そうですか。すいませんでした」
女は、頭を下げて俺に謝ってそのまま走って行った。
女が見えなくなったのを確認して路地裏に再び足を運んだ。
「・・・これが話し相手かよ?」
ダンボールに入れられた子犬。
目を丸くして俺にシッポを振ってた。
さっき付けたと思われる、ダンボールの屋根が雨音を吸収してバチバチ言ってた。
さっきの思い出話してた夏よりは少し前の春頃だっか・・・
用事があって兄貴に会いに後藤組の事務所に向かってた時。
その時運悪く雨が降ってて、差したくもねぇ傘を差して憂鬱な気分で向かってたら、通り
過ぎた路地裏から女の声がしたんだ。
「おっ。喧嘩かぁ?」
興味本意で路地裏を覗くと女が傘差してしゃがんでて、何かに向かってブツブツしゃべってたんだ。
何に向かってしゃべってんのか気になって少し様子を見てた俺。
「ごめんねぇ。今日はこれで我慢してね?明日、家に連れてける様にするからね」
そんな事を話してた傘差し女。
女が立ち上がったから俺は何も無かった様にゆっくり先の道を進み始めた。
路地裏から出てきた女は雨に滑って、俺にぶつかってきたんだ。
「すいません!!怪我ないですかぁ?」
「・・・別に無い」
無愛想に答えた俺だけどこの女の顔をしっかり見てやった。
まだまだ、子供じゃねーか!
中学入ったばっかか、小6ってとこだな。
顔には幼さがかなり残ってた。
「そ、そうですか。すいませんでした」
女は、頭を下げて俺に謝ってそのまま走って行った。
女が見えなくなったのを確認して路地裏に再び足を運んだ。
「・・・これが話し相手かよ?」
ダンボールに入れられた子犬。
目を丸くして俺にシッポを振ってた。
さっき付けたと思われる、ダンボールの屋根が雨音を吸収してバチバチ言ってた。


