kasiraな私

「そう言えば、火葬場に移動するって言ってたよ」


「え?もうそんな時間?」


あたし・・・どんだけあいつに話聞いてもらちゃったんだろ?


「三枝さんも探してたよ?早く移動しよ」


亜由に引っ張られてあたしは再び家の敷居を跨いだ。


あいつ・・・龍って言ったけ?


人相に似合わずいい奴なのかなぁ?


・・・って何考えてんだろあたし。


今はお父さんの事だけ考えよ。


「お嬢!大丈夫ですか?」


三枝は心配した様子であたしの肩や手に触れた。


「・・・何の心配してるの?三枝」


「え?あっ。すいません。龍に・・・何もされませんでしたか?」


「何も?話聞いてもらっただけだよ?」


「ほっ」っと胸を撫で下ろした三枝。


「では、火葬場へ急ぎましょう!頭はすでに向かっていますので」


「うんっ」


あたし達は三枝の運転する車で火葬場へと移動した。


「本当にこれでお父さんを見るのは最後なんだね・・・」


「ほらっ。最後は藍の笑顔でさよなら言おう?」


「うん・・・そうだね」


お父さん。今まで、あたしを育ててくれてありがと。


あっちに行って、お母さんと仲良くしてね?


そしてこれからも・・・あたしを見守っててね。


大好きなお父さん。


お父さんが燃やされてる間あたしは外で煙突から出てくる煙をじっと見つめてた。