kasiraな私

お父さんと朝、何話したんだっけ？


いつもと変わらない朝で･･･


あたしがお父さんを起こしに行って、コーヒー淹れてあげて。


あ･･･「明日、楽しみにしてる」ってお父さん言ってたな。


それに･･･居もしないのに「彼氏と過ごすかも」なんて意地悪言った。


毎年、あたしと過ごすクリスマスを楽しみにしてたお父さん。


明日だってあたしはちゃんとお父さんと過ごすつもりでいたんだよ？


クリスマスプレゼントだって用意してたんだよ？


「うっぐ。ひっく」


「お嬢。頭を組に連れて帰りますから、一緒に帰りましょう」


三枝に肩を押されて外へ向かった。


三枝は「大丈夫ですよ」って言いながらあたしの頭をポンポンして。


外に出るとお父さんの組の車がびっしり止まってた。


そして組員も数え切れない程居て唖然。


三枝は組員に「本部に戻れ」と命令してた。


本部って･･･多分あたしの家。


あたしは車が走り去るのを病院の夜間救急入り口からじっと見つめてた。


「思ったよりちんちくりん過ぎて萎えた」


「え？」


気付いたらあたしの隣に三枝弟。


「お前の親父って最後もいいバカっぷりだったぜ？」


バカっぷり？


そりゃ･･･お父さんはバカだけど。


いやいや･･･ユニークって言うの？


まぁ同じ様な意味か？


「どういう意味？」


三枝弟はふっって鼻で笑って正面を見据えた。