戸惑いながらあたしは三枝の元へ行った。


「・・・三枝?」


「お嬢。コイツは私の弟で龍です。うちの組員でもあります」


腕を組んで偉そうにあたしを見てるこの人が三枝の弟?


し・・・しかも組員??


見た事ないぞ!!


あたしをじっと睨んでふんっと顔を逸らした三枝弟。


「そ、そうなんだ。弟かぁ」


「兄貴。取り合えず外行ってるわ」


三枝弟はまたまたあたしを睨んでその場を離れた。


あたし何かしたのかな?あいつに・・・


「すいませんお嬢。龍はああいう性格なんで・・・」


・・・どういう性格なのさ!


「そんな事はいいの。三枝・・・お父さんってどうして死んだの?」


「・・・・・・」


あたしから視線を外して俯いた三枝。


「頭の死因は・・・心筋梗塞でした」


「心筋・・・梗塞??」


「本日の幹部会の最中に急に倒れられ・・・」


三枝は俯いたまま拳をぎゅって握って肩を震わせてた。


「そっかぁ。そっかぁ」


あたしも俯いて涙を流した。


人って・・・簡単に死んじゃうんだね?


朝まで元気だったのに、今はもう何も話してくれない。


‘藍’ってあたしの事も呼んでくれない。