三枝はあたしから離れて霊安室の入り口に寄りかかってる青年?の傍に向かった。


「外の若衆なんとかしろよ?ガラ悪いくせにビービー泣きやがってうぜぇよ」


「・・・お前でなんとかならないのか?」


「なんねぇーから来た。若頭がなんとかしろ!」


三枝と青年がちょっと揉めてる?


まぁ・・・いいか。


ちょっとだけ三枝と青年のやり取りを立ち尽くして見てたけど、あたしは再びお父さんに目を向けた。


まだ、お父さんの顔を見てない。


恐る恐る白い布を取りお父さんを見たあたし。


「・・・うっ。寝てるみたい」


お父さんは安らかな顔だった。


顔もまだ赤みが残ってて、今にも起きそう。


鼻を摘まんでみても・・・ほっぺをツンツンしても・・・動かないお父さん。


本当に死んじゃったの?


何が原因で死んじゃったの?


お父さんの体は綺麗なまま。


手術した後とか、そんなのは無かった。


ピストルとか刺されたとかでは無さそう。


後ろを振り返り三枝を見ると、目が合って、


「お嬢。ちょっとこちらへ」


と手招きされた。