お風呂に入っても気持ちは落ち着かない。 お兄ちゃんが入ってたんだ…。て思うと、よけいに緊張する。 「気まずくなっちゃー…」 真っ暗な空が一瞬明るく光って、そのすぐ後にすごい音が鳴った。 ふっ、とお風呂が暗くなる。 「きゃーっ」 「亜衣?!大丈夫かっ。」 お兄ちゃんがすぐに来てくれた。 停電。 雷が落ちたんだ。 あたしは何もかも忘れてお兄ちゃんにしがみつく。 お兄ちゃんも濡れているのも構わずに、あたしを抱き締めてくれた。