「亜衣っ、翔くんっ!ちょっと降りてらっしゃい。」
なんだろ?
お母さん、慌ててるみたい。
お兄ちゃんと首をかしげながら1階のリビングに降りていく。
「今電話があったんだけど、知り合いの人のお父さんが亡くなったの。急なんだけど、今からお通夜に行かなきゃいけないの。」
うそ…。
「お父さんも行くの?」
「ええ。職場からそのまま向かうって言ってたわ。」
え、じゃあ…。
「翔くん悪いんだけど、今日中に戻れるようには帰ってくるから、亜衣のこと頼むわ。」
「まかせてください。」
あたしの家で、お兄ちゃんと二人っきりなの?!

