『行ってきまーす』


翌朝、聖夜はあたしの家から出勤して行った。


あたしはフゥーッと深呼吸した後、お父さんに電話をかけた。



プルルルル…

『もしもし』

『あ、知香やけど』

『あっ!!あっ、検査受けてくれんのか?』



受話器の向こうから聞こえる声は、悲しいぐらい嬉しそうだった。


ごめんね…お父さん。






『ごめん…やっぱり無理やねん。できることならしてあげるべきやった。でも…もう無理やねん。検査受けて一致しても手術はできひんから…』

『ちょっと待ってくれ。今から来れるか?会って話がしたいねん』



お父さんはあたしが妊娠したことを伝える前にそう言ってきた。



『分かった…』



あたしはそう言って電話を切ると、お父さんの働く大学病院へ向かった。


病院に着いたあたしは前に話をしたあの仮眠室へと向かい、ドアをコンコンとノックして中へと入った。