「そうなの?だったら・・・・・・・・・・・。」
そこまで口にして早川さんは少しだけ、少しだけ顔を俯ける。
何だというのだ?
「だったら?・・・何?」
「ん?あ・・・いや、何でもない。・・・・ほら、だったら、私が付き合ってあげようかとか、何とか思ったり・・・。」
何を照れているんだ?
「イヤだよ・・・。だいたい、早川さん新しい彼氏いるんじゃなかったの?」
別に聞きたくはなかったが、案外女同士のはしゃぎ声とは同じクラスにいれば聞こえてきてしまうのだ。
「あ・・・やっぱり・・・そうだよね?・・・っていうか、何で知ってるの?」
何を慌てているんだ?この女は・・・。
「いや、あれだけうるさく騒げば、俺だって同じクラスなんだから・・・。」
「そうだよね・・・。そりゃ、そうだ。」
「っていうか、早川さん。いい加減、そういうのやめなよ。けっこう俺たち男子の中では早川さん、評判悪いよ。」
男をとっかえひっかえする男好き早川なのは。
3ヶ月もたてば、転校生というレッテルは取れてすっかりクラスの一員である。
それは良い意味でも、悪い意味でも・・・だ。
同じクラスの人間だからといって、必ずしも仲が良いワケではない。
早川さんは、すっかり望巳たち男子グループの中では、悪女の代名詞となっている。



