夏と秋の間で・乙



「いや・・・なんでって・・・。」



 そりゃ、サンマは友達であって、今までそういう対象に見たことがないと言うのが、あったからで・・・。



「そんな態度だと、太刀魚さんもどこか行っちゃうよ。」



「別に・・・だいたい、あいつには俺意外に好きな男がいるみたいだし・・・。」



 それは事実だ。



 だって・・・あいつが、言っていたんだ・・・。



 ・・・・『もしだよ?私が好きな人が望巳だって言ったらどうする?』



 ・・・・・・・・・・あれ?



「ウソ?そうなの?」



 ソレに対して、本当に驚いた態度をとる早川さん。



 その表情が本当に信じられないと言っている。



「そうなの。残念でした。」



 もっとも、何が残念なのが自分でも良く分からないが・・・。



「・・・・・・・・うん、それは残念だ。だけど、それなら、奪えば良いだけの話じゃないか?」



 ・・・・・・・・は?



「なんの話だよ?」



「だってその言い方だと、太刀魚さんは他に好きな人がいるけど、望巳くんは太刀魚さんのことが好きだと言うことでしょ?」



「いや・・・なんでだよ?」



「違うの?」



 本当に、不思議そうな顔をして自分の顔を覗き込む早川さん。



 その表情はちょっとビックリするぐらい可愛い。



「ちがう・・・よ・・・。」



 なんでソレぐらいで動揺しているんだ?俺?