だからって・・・。



「悪いけど、そういうことなら断ります。自分の問題は自分で解決すべきだ。」



 簡単に容認するわけにはいかなかった。



 いくら後輩だからと言ったって、聞けないことぐらいある。



「・・・・・・そうか。それもそうだな・・・すまなかったな。おかしなこと頼んで。」



 しかし先輩は、そんな失礼な態度をとった自分に腹をたてることもなく素直に返事を返す。



 きっと、この寛容さが先輩の人気の原因とも言えるものなのだろう。



 自分には真似できない・・・。



「いえ、こちらこそスイマセン。もし、サンマに話があるのでしたら俺から連絡しておきますが・・・。」



「いや、そこまでしてもらわなくてもいいよ。やっぱり自分の問題は自分で解決すべきだ。」



 先輩は大きく溜息をつくとニッコリ笑い、最後にもう一度自分に対して「すまなかった」とあやまって、公園から去って行った。



「まったく・・・どこまで身勝手なんだ。」



 先輩がいなくなって、一人になってようやく本音が漏れたが、ソレを聞くものは誰もいなかった・・・。