9月19日。



 体育館で前夜祭がやっていた頃、望巳と亜紀はいつもの体育館裏にいた。



「前夜祭でないのか?」



「そっちこそ。」



 亜紀がそこにいる事が、あまりに当然のような気がして、だけどそれはよく考えるとあまりにおかしなことのように思えた。



 隣にいる事が当たり前な彼女。



 彼女がここにいないなんてコトは考えられない。



 だけど・・・・・・・・・



 ・・・・・・学園祭に返事を出すよ。



 この言葉は早川さんだけに言った言葉ではない。



 彼女・・・太刀魚亜紀に向けてもの言葉でもあるのだ・・・。



「あのさ・・・サンマ。」



「ん?」



「俺さ・・・アレから色々考えたんだよ。」



「色々?」



「お前のこととか、早川さんのこととか・・・。」



「どういうこと?」



「俺さ・・・今年の夏休み前に早川さんに告白・・・みたいなコトされたんだ。」



「は?」



 驚いた亜紀の顔。



 こちらから見ても、彼女が狼狽していることが見て取れた。