「え?あ・・・いや、そうなんだけど・・・。」
自分がアッサリ了承したコトにあからさまな焦りを見せる早川さん。
そこまで戸惑うことないだろうに・・・。
「なに?まだ何かあるの?」
だったら、早くして欲しい。
今は両者の家の中に両親がいるのだ。
万が一、こんなところ見られたら、お互いに気まずいだろうに・・・。
「あのさ・・・ちょっと話さないかな?ここじゃなくて・・・あの、近くの公園とかで・・・。」
どうしたんだろうか?
ここでは話せないことなのだろうか・・・。
「まぁ、良いけど・・・。」
確かに、長引くのならそっちの方が好都合だった。
だけど、ワザワザ公園にまで呼び出して放すということはよほど深刻な話なのだろうか・・・。
望巳は色々考えをめぐらせたが、そんなコトに答えが出てくるはずもなく、二人は近場の児童公園まで、足を進ませ、そこで腰を下ろした。
「こんな場所あったんだ。」
「まぁ、俺もこんな場所、小学校以来だ。」
周りをフェンスで囲まれた教室一個分しかない小さな小さな児童公園。
名前もとくにない小さな公園は、望巳の小さな頃の遊び場だった。
あの頃は幸せだった・・・と思ってしまうのは、この年齢ではいけないことなのだろうか?
「ブランコがないというのは、寂しいね。よくドラマだと、こういうシーンはブランコに乗りながら話すもんじゃない?」



