夏と秋の間で・乙




「他の店回るんじゃなかったのかよ?」


「もういいや、コレぐらいスパイス手に入れば十分だろう?」



 お前な・・・。



「だったら、お邪魔しようかな、望巳の家行ったことないし・・・。」



「そうなのか?」



 不思議そうな顔を向ける速人。



 その目からして何が言いたいのか、よく分かる。



 ・・・・・余計なお世話じゃ。



「そうだよ。悪いかよ。って言うか、何でサンマまで了承しているんだよ?」



「だって、望巳がすごくいやそうな顔していたものだから、ついね・・・。」



 何が、『つい』なんだよ、何が!



「・・・・・・・・・分かったよ。片付けだけはきちんとしていけよ。」



「はいはい。それじゃあ、望巳の家に集合で。」



 結局、速人に押し切られる形で、自分の家でカレーの試食会というコトになった。



 ちなみに、亜紀は亜紀で学園祭で出す焼きそばのトッピング集めに来ていたらしく、それも一緒に試食会をする形になった。



 一応、親に連絡をいれようとも思ったが、さすがにこいつらも11時12時ぐらいまでは居座らないだろうと思い、黙っているコトにした。