夏と秋の間で・乙




「そうだよ・・・。っていうか、耳打ちやめろ。気持ち悪い。」



 両手で速人を押しのける。



 こいつも、こんな態度をとっている以上はある程度、亜紀のコトに対しては踏ん切りつけたのだろうか・・・。



「ふ~ん・・・だったら、サンマ、これから望巳の家で試食会やるんだけど、食いに来ない?」



 ・・・・・・・・・え?



「何だと?」



 それは、今初耳だったのだが・・・。



「望巳の家で?」



「だって、こんな時間で台所使えそうな場所って言えば、望巳の家ぐらいだろう?」



 確かに・・・。



 家の両親の帰りは遅い。



 それは、出勤時間が遅いから仕方ないのだが・・・。



 ・・・・・・・・って



「そんな話、俺は聞いてないぞ。」



「今、言ったからな。」



 オイ!