「お前なぁ・・・。」
「まぁまぁ・・・あ、あそこにいるの、サンマじゃないか?」
どうでも良い嘘で話をずらそうとする速人だったが、その名前を聞いて無視することはできなかった。
一応、顔を向けると、そこにいたのはこいつの宣言どおり亜紀の姿。
私服を着ているあたり、プライベートでこの店に訪れたらしい。
あ・・・目が会った。
「あれ?望巳に速人じゃない?久しぶり~。」
「久しぶり。」
笑顔でそれに返事を返す速人。
そりゃ、速人は久しぶりかもしれないが・・・。
「久しぶり・・・か?」
俺は、昨日お前の部活の手伝いに行ってるんだぞ。
「まぁまぁ、一日会えないだけでも、久しぶりで良いじゃないか?」
「・・・・・・・・もしかして、俺ものすごい邪魔?」
速人さん早とちりですよ!
「いやいや、私たちそういうんじゃないから。」
「え・・・そうなのか?」
なぜ、小声で俺に耳打ちする?



