夏と秋の間で・乙




「話しがずれてるぞ、学園祭の手伝いの話だろう?」



「ああ、そうだった・・・それで、今日なんだが・・・。」



「分かったよ。その代わり、学園祭何か奢れよ。」



「分かってるって・・・恩に着るよ。望巳。」



 しかし、この速人の提案を受けるべきではなかったと思ったのは、いざ買出しが始まってから・・・。



「まだ、回るのかよ?」



 速人に付き合うこと3時間。



 時刻はすっかり暮れて夜の7時。



 もう6件も店をはしごしているというのに、いまだに速人の買い物は終わるコトはない。



「あと、ここと、ここと、ここ。」



 速人が怪しげなメモを見せながら、説明するが、さっぱり分からない。



 だいたい、その英字ばかりの店は何だ?



「なんで、カレーのスパイス買うだけなのに、そんなに店をはしごするんだよ?」



「専門店がないからだろう?お前、仮にも店で出すカレーを、レトルトで済まされると思うな。」



 ・・・・・・・それ以前に、素人が、スパイスからカレーを作ろうと思うな・・・。



「もう、バイクのガソリンないぞ。」



「あぁ、交通費は後で部費から降ろすから大丈夫だ。」



 ・・・・・・マジかよ。