――でも、残念ながら。

唇が目指す目的地は瑠璃の唇じゃなくて……



「少しは大きくなるかも」

「ひぁっ……」


目的地へ到達すると、その言葉と共に赤く染まった耳にパクリと優しくかじりつく。

きっとどういう意味か分かっていないであろう瑠璃は……

背中を仰け反らせてしまった。



甘い

甘い

りんごのような香りの瑠璃に誘われるままに

まるでミツバチにでもなったような気分にさせられる。


ハチミツ色のお月様の下

甘い雰囲気を
チラつかせたシーツの上



「瑠璃、可愛い」

「やっ……、凜久のイジワル…」


ふたりの熱は
まだ下がりそうに、ない。