そして、帰りの時間はあっという間にやって来た。 「今日は用事があるから……俺は先に帰るよ」 ダルそうにカバンを肩に引っ掛けるヨウに 「緊急指令でも入った?」 なんて、冗談を言ってみる。 その面倒くさそうな態度 漂う男の色気 僕と比べて 隣に並んでみて…… とても1年生に見えないヨウに ――『歳をごまかしてこの学校にスパイとして侵入してるの?ね…実はそうなんでしょ』 そう、真剣に問いただす僕に ――『お前……ドラマの見過ぎだろ』