毛布に包まっていたリャウカは、絨毯の方へ寝返りをうった。
 
テントの中は美しい模様の絨毯が敷き詰められてい、

天井からも一枚、中を仕切るために吊り下げられていた。
 
かつて砂漠の民の多くは、イスラム教徒の人間だった。

今では、砂漠に住む人間は雑多な宗教の者で占められているが、

テントの中で女性を絨毯のこちら側に押し込める習慣は、

イスラムから受け継いだもののようだ。

女性を隠し、そして大事にする教えがそうさせていたのだろう。