イズミは、リャウカが組織から逃した男の子だった。

彼は、特殊な視力を持っている。

「ほら、ね。もうこっちを見つけちゃったよ。

手ぇ振ってる」

いつの間にか、再び外に出て、隣りに腹ばいになっているイズミを、

スクセはつまみ上げて一緒にテントに戻った。

「まだ、彼女がここにたどり着くまで、一時間以上かかるだろう」

スクセは時計を見た。

「そのころには夜になる。

夜になったら、トラックで迎えが来る。

ちょうどいい時間って事だな」

 イズミは外に出たくてウズウズしている。