少女王子さま 〜田舎娘に小鳥のワルツを〜



ミミが暫く本に集中していると、コンコンと扉が叩かれた。

「コレットさん?」

もう戻ってきたのだろうか、と尋ねると、返事を待たずに扉が開かれた。

「……一人か?」

「お、王子!?」

そして現れた人物に、少女はぎょっとして立ち上がった。
部屋に入って来ながら少年はミミの手元の本に視線を移す。

「読むの、終わりそうか?」

「そんなわけないじゃん!まだ3冊目だよ!…これでもすっごく頑張ってんだからね!」

少女がむっとして言い返すと、大量につまれている本をいじりながら少年は、意外にも口角を緩めていた。

「…ああ、わかってるよ。学校で勉強をしたわけじゃないわりには、早い方だと思う。」

「え……。」

ぽかんとして少年を見ていると、視線に気づいたのか仏頂面になって見返してきた。

「なんだよ。」

「ううん、また意地悪言ってくるかと思った…。」

「……俺は、そんなに四六時中人を貶しているわけじゃない。」

「え、だってじゃあ何しに来たの?」

「…………。」

少女にとってはまったく悪意のないらしい言葉に、少年は呆れた様子で空をあおいだ。