少女王子さま 〜田舎娘に小鳥のワルツを〜


「一ヶ月も姿をお見かけにならなかったので、わしら大臣集は大分心配したんでのう。」

一ヶ月もいなかったのか、ルイス王子…。
そんなこと今知った少女は斜め上を向きながら、一生懸命に理由を考える。

(…ええと確か、ピーシランクで見つかったことになってるんだよね。)

「ご……ごめんなさい。ちょっと田舎に行きたくなって。」

「田舎ですかの?それはまたどうして。」

「えっと、りょ、旅行………?」

「…式典の前に?」

不思議そうに見てくる大臣に、もう耐えられなくなっていると、そこまで黙っていた少年が長椅子から立ち上がった。

「ピーシランクの視察に行っていたらしい。」

「……はい?」

「式典には間に合わせるつもりだったと言ってる。…もういいだろうトマ大臣、こいつは体調が悪いと言ったはずだ。」

その他人に有無を言わせない、王の血をひいた少年の眼差しに、大臣は少し怯んだ様子だった。