少女王子さま 〜田舎娘に小鳥のワルツを〜


「さすがですわ!あのリュシリカ様をぶっ飛ばせる方なんて、そうそういません!私、ミミ様を尊敬いたしますわ!」

ぶんぶんと手を上下に振りながら、コレットは目をキラキラさせる。

「え…、コレットさんも、リュシ何とか王子のこと、殴りたいんですか?」

少女は顔をひきつらせる。
ミミが少年に鉄拳を落とせたのは、まだ少年が王子だなんて知らなかったからだ。

「まあっ、その殿下の名前を覚えきれないところも素敵ですわ!はい、時々イラッときたとき、張り飛ばしたくなりますわ。」

「…へ、へえ……。」

きゃあ言ってしまいましたわ、と頬を染めるコレットに、ミミがどう反応していいのか迷っていると、扉を叩く音が聞こえた。

「――何騒いでるんだよ、おまえら。」

呆れた声と一緒に扉から顔を出したのは、仏頂面をした、噂の第一王子だった。