少女王子さま 〜田舎娘に小鳥のワルツを〜


「あっ!あれがお城ですか?」

カルナーダの中に入ると見えてきた、白亜の王宮。
高い城壁に囲まれて、それでももっと高いお城が構えているのが見える。

ミミが目をキラキラさせて、見とれていると、ばしっと頭を叩かれた。

「いたっ!」

「いいかげん頭をひっこめろ。誰に見られるか分からないだろ。」

「…だからって、叩かなくたっていいじゃない……。」

叩いた犯人である少年を睨みながらも、ミミは大人しく馬車の中に顔を戻した。

確かに身代わりが出来るほどそっくりらしい自分が、そのルイス王子を知っている人に見られると、まずいことがあるかもしれない。

「このまま城まで突っきるぞ。」

低い声で言った少年に、ミミは無言でうなずいて、ぱたんと窓を閉めた。