何故少女が馬車に移っているのかというと、結果意味が分からないことだった。

最初は少年と一緒の馬に乗られて王都を目指してたのだけど、少年が途中ぶつぶつとうるさかったのだ。

馬の上では「あんまりひっつくな」だの、野宿するときは「男の横でぐうぐう寝るな」だの、意味の分からないところでいきなり怒りだすので、少女は首を傾げるばかりだった。

そして何か堪えられなくなったらしい少年が、1日すぎたときに馬車を調達してきたのだ。

「馬乗りに慣れていないからキツイだろ」と少年は言ったけど、実際体が痛くなっていたので、少女はありがたく馬車の中で眠らせてもらった。