「さすがですわミミ様っ!これなら誰も、ルイス王子が偽物で、しかも女の子だなんて、思いもしませんわ!」 「……はあ。」 うきうきとはりきりながら髪をとかす侍女の言葉に苦笑しながら、少女は改めて鏡に移る金髪の少年(・・)を見つめる。 そこに映るのは、16年間で見慣れた少女ではなく、少年。 少女がこんな事をするはめになってしまった発端――ルイス・キトル・ペルティエ。 この偉大なる王国の、第二王子であった。