「……リュシリカ様、」
「ミミには、その話はしなくてもいいと言わなかったか?」
「申し訳ありませんリュシリカ様。私の不注意でミミ様が碧騎士の方と接触してしまいましたので。」
「…碧の、誰だ?」
「はい、幸い穏健派の方でしたので、その場は何も。けれどこのままミミ様が何も知らなければ危険だと思い、勝手な判断をさせていただきました。」
立ち上がって頭を下げるコレットに、少年は少し安心したように息をはくと、扉から離れて部屋に入ってきた。
「………それならいい。派閥のことは簡単になら話すつもりだったから。」
「……ねえリュカ、リュカはソフィー様のこと、どう思ってるの?」
ミミは気になっていたことを聞いてみた。
すると少年が驚いたように見返してくる。
「…直球だな。俺はソフィー様は何も仕組んでないと思っている。もちろん母上もだ。ソフィー様は本当に母上と仲が良かったんだ、刺客なんかを放つはずがない。」
その言葉にミミは無意識にほっと息をついた。
大丈夫だ。王子達は周りに惑わされるほど弱ってはいない。
当時6歳だったリュカは、正妃と側室の仲の良さを自分の目で見てきたのだろう。
それは幼い少年にも、疑う余地はないほどに。
「それならそれを皆に伝えればいいのに…。」
「出来上がってしまった亀裂には何を言っても塞がらなかった。ーーそれにルイスも、俺の事を恨んでいると思うから。」
「………………は?」
ぽつりと付け加えられた言葉に、ミミはぽかんと口をあけた。

