女子DEATHヒーロー


「鈴木絢灯」

 葉月センパイの声。部屋でセンパイと会うことは少なかったけど、意外と良い人だった。ミルクティーくれたし。
 実は色々話してた。無言の会話を少々(笑)

「……ちょっと来い」

 顎で命令が結構似合ってますね。さっさと奥に入っていく葉月センパイ。
 行くしかないみたい。

「じゃ、行ってくるから」

 央太が何か言いたそうだったけど、あたしはとりあえず笑っといた。心配性すぎる、央太。
 

 奥の部屋に入ると、葉月センパイは一人掛けのソファーに座っていた。まだ奥に部屋があるみたい。……ちょっと安心した。チラッと隙間からベッドが見える。

 うん、気にしない。

 あたしはとりあえず、いつでも逃げれるようにドアの近くをキープ。

「この学園に何をしに来た?」
「別に何かしにきたわけじゃないです」

 この学園入ったのは不可抗力だし。

「何で変装していたんだ?」
「ただ、普通の生活がしたかっただけです」
 あたしは葉月センパイを真っ直ぐ見て言った。もうそんなの無理だけど。

「風紀になるんだろ?」
「……それは仕方なく」
 葉月センパイは表情を変えないから、何を思ってるのか全く分からない。
 ただ分かるのは、あたしの返答から何かを導き出そうとしてるって事だけ。
「佐々木は……ここにきて初めて会ったのか」
「佐々木?あんなのが居るって分かってたら絶対来ませんけど」
 厄介だし。ひたすら厄介だ。

「鈴木兄弟に言われただけか?」
「兄に命令されただけですけど」

 葉月センパイは眉間にシワを寄せると、舌打ちをした。眉間にシワは最初から寄ってたからかなり険しい表情になってる。それプラス舌打ちに、普通の人ならマジビビりだと思う。