女子DEATHヒーロー

 あたしと央太と佐々木はあの不良たちのたまり場の体育館の前に来ていた。
 ちなみに、央太がウィッグを持ってきてくれたから装着済み。
 行く途中で誰かに会うの気まずいし。

「あー……行きたくないなぁ」
「絢灯ちゃん、往生際悪いよー」
 行かなきゃひどい目にあうしなぁ。
 ちらっと央太を見ると、体を伸ばしたりして準備運動してた。

「央太……あんたも久しぶりでしょ?」
「まぁな。お前ほどではないけど」

 あたしが知らない所でかなり暴れてたらしい。あたしに被害無いならどこでも暴れてくれていいよ。

 それにしても……誰もいない。普通見張りとかいるよね。あたしが来るって気付いてるからかなぁ。そうだったら……感良すぎ!

「じゃ、行こ」
 女は度胸!あたしは気合いを入れると体育館の扉を開いた。

 たのもー!とか元気よく言っても良かったけど、なんかイヤだから普通に開けた。
 あたしがドアを開けると、大勢の人が一気にこっちを向いた。葉月センパイの仲間は多いみたい。


 イヤな空気が流れる。敵意。

 でも、鋭い視線はあたしより後ろの二人に注がれている。
 ……あ!ウィッグとってなかった。センパイが仲間に言ってなかったら……あたし何?って感じだよ。
 っていうか、何で言ってない感じなの?

「みんなーそいつが死神っすよ」
 この声は……水色!
 どうやら話し途中だったらしい。
 ざわつく体育館。壇上に立つ水色は愉快そうに笑っている。
 なんか腹立つ。

「絢、それとった方がいいだろ」
 確かにね。あたしは二歩中に入ると、ウィッグを外した。
 ざわつく葉月センパイの仲間たち。あたしと喧嘩したことがある人も居るらしく、後ずさる人も居た。

 あたしってば危険人物すぎる。

「あれが……」
「佐伯央太はいいとして、佐々木将まで……」
「今までのは変装か!」
「やべ、実物初めて見た」

 ぼそぼそ呟く不良たち。

 有名人すぎる、あたし。