女子DEATHヒーロー

 今日は厄日か……。二回もこんな風になるなんて。あ、あたし凄い冷静。
 拓兄よりはまだいいかなぁ。嬉しいとかじゃないから。まだ、悪意がひしひし感じられないから。

「そこから退いてもらえます?」
「イヤ☆」

 だよね。あたしは央太の部屋の方を見た。運良く央太が出て来ないかなぁって。
 出てくるはずないか。

 これ以上何かしてくるって訳じゃなさそうだし……。でも、この図は癪に障る。

 あたし、何で押し倒されてるの?

 こんなあたしはあたしが許せない。

 それからのあたしの行動は早かった。佐々木を油断させるために笑いかけると、足で急所を狙った蹴りを繰り出した。
 男じゃないからあたしにその痛みはわからない。だからね、それはもう本気で蹴りを繰り出した。

 けど、佐々木には当たらなかった。危険を察知した佐々木が早々に体を動かしたから。
 意外と素早い。やっぱり、佐々木も喧嘩慣れしてる。

 あたしは起きあがると、ソファーの背もたれを飛び越えて、ソファーを挟む形で佐々木と対面した。
 なんでソファー挟んだかって?そりゃあ、あたしも一応女だから。
 女だからっていうか、間に何かあった方が安心じゃん。本能的に!

「……佐々木」

 佐々木はずっとニヤニヤしてる。今すぐこいつを殴らせて。
 殴るためには近付かないといけないから……あたしは口で佐々木を負かそうとした。


「……女の子はね、すぐに押し倒すもんじゃありません!」

 若干ズレてる気がするけど……気のせいだから。

「お前、それ今言う言葉じゃないし」

 いつの間にか登場した央太が部屋の前でため息をついた。

 出てくるの遅い!