女子DEATHヒーロー

 ……って!何であたしは今押し倒された感じになってるの?
 上を向いてるあたしの顔の上に佐々木の顔が。なんて言うか……こいつも無駄に顔が良いからなんかね!
 あたしは冷静に佐々木の顔を観察していた。あたしすごくない?冷静すぎて。

 普通の女の子がこうなったらどうするんだろう?と考えてみる。
 A.キャーとか言って逃れようとする
 B.押し倒したのは美形君だから逆に誘う

 Bは普通の女の子はしない気がする……。Aが答えか。っていうか、今更キャーって言う?タイミング逃した感じがするんだけど……。

 あ、央太を呼べばいいんだー。頭良い、あたし!

「お……もごっ」

 央太を呼ぶ前にあたしの口は塞がれた。もちろん、手で。口とかじゃないから!
 口だったら確実に叫んで逃げてる。
 訂正。殴って逃げてる!

「忠犬呼ぶのは禁止」

 なんで央太が忠犬ってわかってるんだろ?そんなに忠犬オーラ出してないと思う。
 見た目もヤンキーだし。

「本性だしてみなよ?死神ちゃん」
 あたしはその言葉に、衝撃を受けた。何て言うの?頭をガツーンと殴られたみたいな。
 何で佐々木が知っている……?あたしの変装を見抜いたのは感じゃない……?
 絶対、感じゃないじゃん!

 《死神》確かにあたしはそう呼ばれていたーーらしい。
 面と向かって言われた事無いし。喧嘩の後にボソッと呟いて意識をなくした人はいたけど。
 あの時は正直、泣きたかった。何よ、死神って!

「死神なんて……物騒すぎてあたしには似合わなーい」
 あたしはどっちつかずな返事をした。本当のあたしじゃないし、晴天丸でのあたしでもない。
 そこら辺のちょっとぶりっこな子が言うみたいに言った。

「へー乙女」
「はい、どーも」

 あたしが何か言いたそうにしていると、佐々木は手を退かした。皮肉っぽいお礼しか口には出なかったけど。
 でも、乙女って一応誉め言葉だよね、うん。佐々木がたいそうおかしそうな顔をしてますけど。

 それより、この状況をどうにかしたい。