女子DEATHヒーロー

 は?

 全く意味が分からない。何と何か言ってくれないとあたし分からない。
 あたし、来たばっかりで何にも知らないから……。
 あたしがポカーンとしていると、葉月センパイのケータイが鳴り出した。
 葉月センパイはめんどくさそうにケータイをカバンから出した。
 そして、画面を見て舌打ちをすると電話に出た。

「なんだ?……あぁ゛?」

 コワー。でも、どうやらもう行っちゃうらしい。
 会話からしてそんな感じ。
 まぁ、「あぁ」とか「あ゛?」とかしか言ってないけど。

 拓兄もそんな感じだったから慣れちゃったのかも。

 あたしが葉月センパイをジーッと見ていると、不意に目があった。
 気まずいっ!あたしは直ぐに目をそらしたけど、葉月センパイの視線をまだ感じる。

 あたしなんか見ても何もないですよー!

 電話を終えた葉月センパイはカバンを部屋に投げ入れると、あたしの前に立った。
 何でしょうか?何なんでしょうか?

「鈴木」
 一瞬、何を言われたのか分からなかった。平凡などこにでも居る苗字、鈴木。あたしの……苗字。
「……鈴木だろ?」
「はいっ!」
 あたしはハッとすると、返事をした。あたしが呼ばれたんじゃん!名前覚えられてると思わなかった。

 何事だろうかと、あたしは葉月センパイを見たが、センパイは何も言わない。何かを考えているらしい。

「絢灯」
「は、い?」
 あたしは確かに絢灯です。何で苗字の次は名前?
 葉月センパイの顔を見てキョトンとしているあたしを見て、センパイは顔を背けた。
「あいつらと一緒でめんどくせぇ」
 あいつら……拓兄たちかな?多分そうだ。この人は拓兄たちの噂を知ってる。
 もしかしたら、喧嘩したことあるかもしれない。つまり、あたしも見られてるかもしれない。……ヤバい。

 危機感を感じているあたしをよそに、センパイはあたしをもう一度見た。
「もしこっちに来るなら……歓迎してやるよ」
 怪しい、妖しい笑みを浮かべて部屋を出て行く葉月センパイ。

 顔が良いだけに……エロスな雰囲気でしたなぁ。マジで。

 って言うか、何がか何も聞いてないけど?