誰かがあたしを後ろに引っ張ってくれたから。
メッチャ勇気あるじゃん、引っ張ってくれた人!
ビックリして後ろをみると……。
「お、央太?」
予想外過ぎた。
拓兄の恐ろしさを知ってる央太が拓兄に逆らうなんて。
……ヘタレなのに。
央太はあたしと拓兄の間にはいった。
「……拓登さん、失礼を承知で言わせてもらいますけど……最近やり過ぎですよ」
ヘタレなのに拓兄に噛みついてった。
主人(あたし)を守る忠犬央太だ!……なんか、忠犬と央太って字似てる。
央太が頑張ってるのにこんなこと考えちゃダメだよね。……忠犬央公。
「央太、俺に逆らうのか?」
「……」
央太……ちょっと見直したからもう良いよ。犬を放っておけないよ、あたし。
あたしだけに見える尻尾が若干尻尾が下がってるよ……。
「央太、もういいから」
「絢っ」
「もういいの。知ってるでしょ?あたしは打たれ強いんだから」
近くで見てた央太なら知ってるはず。ずっと近くに居たんだから。
あたし、守られるよりも守りたいタイプだし。あたしの為に友だちを犠牲に出来ない。
「……はぁ」
拓兄に溜め息をつかれた。
そして、あたしに近付くとあたしの頭をグリグリと撫で回してくる。
さっきの妖しい空気が無くなってる。
「絢灯……お前はやっぱり手懐けるのがうまいな」
「え?何が?」
拓兄は笑うと、あたしから離れた。
「風紀委員が同室なのは絶対だよ。それは絢灯にとっても好都合じゃない?」
好都合……?あ、委員長!
「分かったみたいだね」
でも、央太と佐々木が居ればすむことじゃんか。
……央太は良いけど、佐々木が委員長の素顔知ったら襲いそうだからコワいけどさ。
ってか、佐々木は個室に隔離した方が安全だと思う。
反論しようとしたけど、やっぱりやめた!拓兄がコワいから。
「……はーい」
「良い子だ」
ああもうっ!だから、妹に向かってその妙なエロい雰囲気はダメだって!
全く……。
拓兄はあたしを鼻で笑うと去って行った。
鈴木兄弟という名の嵐が去った。あたしも妹だけど。
ホント、かき回すの好きだよね……。


