女子DEATHヒーロー

 全く……どうせ拓兄と燿兄の仕業だろうけど。厄介だ!

「何か言ったか、鈴木?」

 頭をガシッと掴まれた。そして握り潰すかのような勢いで力を入れられ、若干ミシミシ言ってるマイヘッド。

 あたし、声に出してないし!

「拓登に隠し事はムリだよ?」

 分かってるよ……燿兄。生きてく中で学んだから……。まさか、離れてて心読まれるなんて思わないじゃんか!

 いつから近くに居たのか知らないけど。

 鈴木兄2人は神出鬼没だなんて誰でも知ってる。どこから湧いてくるんだろ?

「拓兄……鈴木拓登センセー、なんであたしは男と同室何ですか?」
「今更センセーって言わなくてもいいだろ」
「まぁ、確かに。じゃなくて、何で……」

 危うく話を逸らされるとこだった!危ない危ない。
 安堵したあたしだけど、何か妙な空気になったのがすぐ分かった。

「絢」

 拓兄から漂う妖しさ満点オーラ。
 ヤバい、ヤバい空気!あの時の悪夢再来な空気!
 拓兄にキスされた時みたいな……。

 まさか、公衆の面前で無いよね。ね!?

「絢」
「へいっ!」

 へいっ!って……いくらなんでもへいっ!はないわぁ。あたし自身に引くわ。

 あたしのこの失態なんて耳に入らないらしい拓兄はあたしに近付いてくる。
 スルースキルハンパない。あたしが拓兄だったら、笑い転げてバカにするわ。
 いつもの拓兄なら鼻で笑うか、とてもバカにしてくる。


 あ、佐々木が笑ってる。後から覚えてろ……央太!佐々木はなるべく体の接触は避けたい。
 央太はメッチャ眉間にシワを寄せてこっちを見てるんだけど。


 拓兄はあたしの側に来ると手を伸ばしてきた。固まるあたし。

 あたし、終わったわ。

 と、思った瞬間、その手はあたしに届かなかった。