その言葉に目を見開く。


帰るって…あい?


なんでそいつに言うねん。


そいつはお前の敵やろ?





「しっかり掴まってね」






呆然としていた俺は、綺羅の言葉で我に帰る。


綺羅に寄り添っているあいに対して必死に手を伸ばして、





「くっ…!!!」





綺羅の魔法陣はバリアが張っていて、中に入り込めない。


それでも必死に叩いて、血が溢れても叫んで、






『ごめんね』






そう言い残して、あいは魔法陣の中から消えていった。






.