O.S.C

山に入ると、後は獣道しかない。

まるで時が止まったかのように、森の中は静かだ。

しかし私は迷うことなく歩く。

しかし…寒い。

バックから買ったココアの缶を取り出し、飲んだ。

あたたかさと甘さにほっと一息。

これから向かう所は、とても寒いからな。

30分ほど歩いて、私は山の中の古びた社にたどり着いた。

「リン! いるのか?」

社に向かって声をかけると、袴姿の女の子・リンが中からひょっこり姿を現した。

「マカ先輩! お久し振りです」

リンと共に、この山の神々であるコムラとミトリが出てきた。

「約束の物は用意できたか?」