O.S.C

昼は急ぎだったが、帰りはそうでもない。

なので普通に帰ることにした。

ナオとは喫茶店で別れたが、電車の時間はまだある。

しばらく街の中を歩くことにした。

そして気付いた。

この街には…あの神社があることを。

私はあの神社に向かった。

駅から歩いて30分。

そこは住宅街になっており、いたって静かな場所だ。

だが…。

向かいから、一人の女の子が歩いてくる。

彼女は私に気付くと、頭を下げてきた。

「こんにちは。今日はどうしたんです?」

彼女の影が、ぐにゃっと動いた。

そして二つの赤い光が、私に向かう。

二つの、赤い目が。