俺は、病室を飛び出した…
面会出来ないって解ってる…けど…稜子サンと近い距離に居たかった…


ICU室の前に着き、廊下の長椅子に腰掛けた…
看護婦がICU室を慌ただしく出入りしている…俺は、ただ…その人の流れを見ている事しか出来なかった…


『陽翔ぉ…こんな所に居たの?』

『あ…母さん…』

『何してるの?病室に戻りましょ?』

『母さん…俺…何も出来ないのかな…』

『……陽翔?…泣いてるの?…何かあった?』


あまりの非力さに、涙が止まらなくなった…